アイスランドの外食(値段は高いがクオリティも高い)

目次

物価の高いアイスランドに滞在していた間、私はほぼ自炊をしていました。自炊というか、パンやチーズやペパロニや葉物野菜などを買って、サンドイッチを自作していました。電気ケトルでお湯を沸かし、粉末カップスープにお湯を注ぐ毎日でした。意外と、火も包丁も使わずに過ごせるものですね。

そんな質素な食事も良いのですが、せっかくアイスランドに来たのなら、名物料理くらい食べて帰りたいものです。ということで、自分を奮い立たせて外食をしたときの話をしたいと思います。

レジデンスでの最後の晩餐、ポテトとバーガー

アーティスト・イン・レジデンス滞在の終盤に、みんなでお別れ会のような食事会をしました。それが、アイスランドでの初めての外食でした。滞在先の村に1軒あったレストランに、アーティストのみんなと行きました。お店の外観も内装もおしゃれでした。意外にも店内はお客で席が埋まりかけていました。この村で唯一のレストランなので、週末の楽しみとして家族で来たりしているのかもしれません。家族連れや漁業関係者のようなグループが結構いました。

レストラン HARBOUR  

メニューの種類は豊富でしたが、どれも結構なお値段でした。

1杯約1200円するビールを飲み、ポテトとバーガーのセット (約3000円) を食べました。

もはやアイスランド価格には驚かなくなってきていましたが、ビールとポテトとバーガーで約4000円です。よく考えたら高いです。しかし最後くらいは外食しようではないか、と気持ちを奮い立たせ、食事を楽しみました。久しぶりに自作サンドイッチ以外を口にし、その旨さにやられました。アイスランドの外食は高いのですが、その分クオリティもかなり高い、という話を聞いていたので、期待はありました。そして、その期待は、ほとんどどのお店でも裏切られることはありませんでした。

レイキャビクのアイスランド料理屋へ

滞在先の村からレイキャビクに戻ってきた際に、「せっかくならアイスランド料理を食べようではないか」と思い、調べてみると、いくつかお店が見つかりました。

その中の1軒に行ってみることにしました。

OLD ICELAND RESTAURANT

最初店内に客はいなかったのですが、私の少し後に何組か入ってきました。

ビールとスープと、メインディッシュの魚料理を注文しました。

メニューに書いてある値段を見て腰が抜けそうになりましたが、崖から飛び降りる気持ちで店員さんに注文します。

ビール (Einstök) 1490 ISK (約1490円)。

スターターとして魚介類のスープ、2290 ISK (約2290円)。

メインディッシュ、北極イワナの焼いたもの、4790 ISK (約4790円)。

ビールとスープと魚で約8570円が飛んでいきました。

値段のことを考えると胸が苦しくなり、動悸がして、顔面は青白くなり、食事どころではなくなりそうになりましたが、しばらくするとスープがやってきました。

そして期待通り、やはり美味しいのでした。

うまい!

なんとなくタイ料理のココナッツ系スープを思い出すような、旨みが詰まった味がしました。

次に魚料理もやってきました。

自作サンドイッチ歴が長かったせいか、魚の味付けは若干塩分が濃すぎると感じましたが、目にも美しい盛り付けで、五感を使って楽しめました。

アイスランドでは基本的にはチップは不要です。

かわいいカフェへ入ってみた

そういえば滞在先の村にはカフェは無かったのですが、レイキャビクには、もちろんカフェがあります。せっかくなのでレイキャビクで見つけたカフェへ入ってみました。

Emilie and the Cool Kids

とりあえずエスプレッソ (約500円) を頼み、しばし店内でくつろぎました。ガラスケースには甘そうなクッキーやケーキもありましたが、見るだけでお腹いっぱいになったので食べませんでした。

エスプレッソで休憩

こういう小さくて居心地の良さそうなカフェがレイキャビクにはたくさんあるようです。東京などに比べると人も少ないので、カフェでゆっくりした時間を過ごせました。

アイスランド・ラムを食べる

アイスランドでは広い土地に羊が放し飼いされている様子をよく見かけました。そこらへんの草をはみ、広い土地でストレスもなく、のびのびと成長する羊は、健康的で美味しい肉質になるそうです。アイスランドで育った子羊、アイスランド・ラムは、国内外で人気があるようです。

それならば、絶対に食べて帰らねばならない、と強く思い、レイキャビクにてラムを探しました。

Hlemmur Mathöll

レイキャビクにはHlemmurというフードホールがあり、そこには色々なお店が集まっていました。おしゃれな店が多く、いい感じです。室内なので雨風も凌げるという素晴らしい場所です。

ラム料理と言っても色々ありますが、私はどうせならラム・チョップを食したい、と心に決めていました。

ラム・チョップはどこだ、とホール内をぐるりと一周して探し、ようやく決めたお店がこちらです。

KRÖST

値段も3900 ISK (約3900円) とアイスランドにしては比較的安かった (?) のと、お店の雰囲気も良かったのでここにしました。スタッフの方もテキパキとしていました。お店全体から「美味しいものを出す店」という雰囲気を感じました。

ベルを渡されて、鳴ったら自分の料理をカウンターに取りに行くシステムでした。

私のラム・チョップのベルが鳴りました。小走りで取りに行きます。

まぶしい

ラム・チョップは、想像以上の見た目でした。なんと美しい盛り付けでしょうか。めちゃくちゃ美味しそうではないか。

ラムに感謝していただきました。味付けも塩加減もちょうどよく、口に旨みが広がり、感動しながら、飲み込むように夢中で食べました。見た目も華やかで、芸術作品を食している気分になりました。手抜きをしない、調理人のプロフェッショナルさに感動しました。アイスランドの外食は値段が高い分、クオリティも高い、というのは本当でした。

2軒目でビールを飲む

ラムのお店にはワインも多数あり、料理に合うワインも勧めてくれるようでしたが、気分はビールでしたので、他の店でビールを飲むことにしました。

ビールを出しているお店を探し、誰もいないカウンターに腰掛け、ビールを注文しました。

Fjárhúsið

ラッキーなことに、その時間はたまたまハッピーアワーでした。ハッピーアワーで割引になったGull beerは約800円です。もはやアイスランド価格脳になっていたので、「ラッキー!ちょっと安い!」と思いましたが、冷静に考えると安くはないです。

しかし、このホールのわいわいした雰囲気を味わいながら、この場所で飲むことに価値があるのです。半分は場所代です。

カウンターで飲んでいると、常連と思しき人がやってきたり、通りすがりの人に、「それいくらなの?」と聞かれたりしました。ハッピーアワーだよ、と教えてあげました。

ポテトとバーガーのセットはどの店でもだいたい3000円はするようです。

ホール内には、他にもベトナム料理屋や、色んなバーやレストランがあり、どの店も「うちは美味しいよ」というプライドを持って営業している雰囲気があり、活気がありました。このフードホールに出店できるということ自体、その店のクオリティの高さを証明しているわけで、実際どの店も本当に美味しそうでした。

3軒目でジェラートを食べる

入口付近にはジェラート屋がありました。普段ジェラートなんて食べないのに、せっかくだからとジェラートを買ってみました。質素な食生活をしてきたからでしょうか。食欲が暴走し始めたようです。

Gaeta Gelato

2種類乗せてもらって約650円。

ブルーベリーとクレームブリュレの2種類にしてみました。ブルーベリーはさっぱりして美味しかったのですが、クレームブリュレ味はあまりピンと来ませんでした。それでも、この場の雰囲気が全ての食べ物を美味しく感じさせてくれます。

活気あるホールで食べると美味しさが増す

アイスランドでも冷たいジェラートは愛されているようでした。お客さんも絶えず入っていました。甘いものは別腹、というのは世界共通のようです。

ということで、滞在先の村とレイキャビクでの、貴重な外食体験でした。