目次
ソダンキュラから寝台列車でヘルシンキへ
ソダンキュラの白夜映画祭が終わり、アキ・カウリスマキ監督の新作を見るために一緒に奮闘したベルリナーと別れ、寝台列車に乗り、ヘルシンキへ向かいました。二度目の寝台列車では寝るコツを覚え、7時間くらいぐっすり寝ることができました。その後、一日ヘルシンキで過ごしました。
アキの映画館キノ・ライカへ行く
アキの映画館キノ・ライカ(Kino Laika)が、ヘルシンキからバスで1時間ちょいのところにあるので、翌日向かいました。ヘルシンキのKamppiのバスターミナルから長距離バスに乗りました。ここは色んなバスが発着する大きなバスターミナルです。うろうろして自分のバス乗り場をどうにか見つけました。
映画館の成り立ち
キノ・ライカは2021年にアキ・カウリスマキと、作家のミカ・ラッティ(Mika Lätti)によって、カルッキラ(Karkkila)の町に設立されました。元はエナメル工場だった建物を改修してできた映画館で、バーも併設されています。
This is FINLAND の記事によると、忙しい夏のシーズンには、アキがテーブルの片付けや皿洗いも率先して行うということです。アキらしい逸話です。
『リトル・マーメイド』を観る
私が訪れた時間帯に上映していた作品『リトル・マーメイド』(フィンランド語ではPieni merenneito)をこの映画館で観ました。ここに来なければ観なかったかもしれません。思いがけない作品との出会いが楽しめるのも、映画館の良さです。
映画館の赤い座席はふかふかで足元も広く、どの席からも観やすいように一列ずつ段差が付いています。観やすさにまでこだわってくれてありがとう、アキ。さすが映画監督が作る映画館です。
突然のご本人登場
上映が終わった後、店内のセンスの良さに感動しながらあちこち見て回りました。この映画館を象徴する標識を持ったアキとミカの写真を入口付近で見つけたので、記念に写真を撮ろうとした時、どこからともなく誰かがスッと入ってきました。
それは写真の左に写っているミカ・ラッティご本人でした。「本人だ」と言って写真と同じ真顔でポーズを取ってくれました。
私も軽く自己紹介をし(日本からやってきたアキの大ファンです)、白夜映画祭に行っていたことを伝えると、ミカももちろん行っていたとのことでした。
それから館内を少し案内してくれ、場内も撮らせてくれました。
「日本から取材が来たんだ、ほら」と言って、棚から雑誌『TRANSIT』のフィンランド特集号を出してくれました。「日本語だから何が書いてあるか全くわからないけど、ここにアキが出てるよ」と言って、この映画館の取材記事のページを見せてくれました。
ビールを飲む
そんな偶然の出会いに感謝しつつ、ロク・ライカというドイツのピルスナーを飲みました。
お酒を飲むことを目当てに、ここに地元の大人たちがやって来るのも頷けます。大きな窓から日差しが入り、センスのいい椅子やテーブル、棚、絵画などが並び、とても居心地の良い空間です。
テラス席からは川が見えます。
テラス席に座っていた地元の大人たちも、「川のあっちの方に行くときれいだよ」とか「あっちだけじゃなく、こっちもきれいだ」とか、ぼそっと教えてくれました。大人たちはここで一杯飲んでのんびりと過ごし、気が向いたら帰るみたいです。東京のように、せかせかしていなくて羨ましいです。
そんなこんなで大変満足したキノ・ライカ訪問になりました。
Kiitos, Aki Kaurismäki and Mika Lätti!