リトアニアの杉原記念館へ行った話

目次

2023年にリトアニアに行ったときに、カウナスにある杉原千畝の記念館へ行きました。そのときのことを写真で振り返りたいと思います。また最後に、現在のガザとイスラエルの戦闘についても一言添えました。参考にした記事等のURLも文末に書きましたのでよかったらご覧ください。

Vilnius Railway Station

駅で慌てたくなかったので、事前にこのLTG Linkというリトアニアの鉄道会社のサイトから日にちや目的地を入れて、お目当ての電車のチケットを買っておきました。片道約10ユーロから(2023年時点)。

行きの電車 13.10ユーロ
帰りの電車 10ユーロ

行きと帰りで微妙に値段が違ったのは、車両のクラスが違ったからでした。

9:10発の電車に乗ります
時間に余裕があったので駅のカフェにて一息
乗り場はこんな感じ
表示があると助かります

乗車中に検札のおじさんがきた

こういうタイプの電車

定刻通り、9:10 カウナス行きの電車が出発。

行きの車内では、途中で検札のおじさんが来ました。

行きの車両は一応ファーストクラスだったので、無料の水がもらえました。ファーストクラスと言っても豪華な車両ではありませんでした。検札のおじさんがお菓子も持って回っていましたが、そちらは有料でした。車両によってはコンセントやwifiがあるようですが、私が乗った車両の座席には、コンセントもwifiもありませんでした。

ファーストクラスの座席

ヴィリニュスから1時間ちょっとなので、あっという間にカウナスに着きました。

カウナス到着
カウナス駅近くの趣のある建物

杉原記念館まで急な階段を登る

「スギハラハウスはこっち」の看板

地図で確認しながら、閑静な住宅街を歩いていきます。

途中で近所の家のおじいちゃんおばあちゃんが、「ここ登って左手のほうだよ」と教えてくれたり、階段ですれ違ったおばあちゃんが「スギハラ?」と聞いてくれたりしました。リトアニアで人に優しくされたのはこれが初めてでした。

杉原記念館まで行くのに、結構急な階段を登りました。

こちらの階段です
急です
小休止

杉原記念館を見学

杉原記念館 外観

急な階段を登りきり、少し歩いてようやく杉原記念館に到着。

杉原記念館公式サイト(※2024年12月現在、改装工事中につき、事前予約が必要なようです。)

入場料は5ユーロ現金払いで、日本円でも支払い可能でした(2023年時点)。ここに来る観光客のほとんどは日本人のようです。

展示物や説明パネルがあり、当時の状況等を勉強できます。係の人に「15分のビデオがあるけどどう?」と聞かれたので観ました。15分にぎゅっとまとまっていて分かりやすいビデオでした。

日の丸
日本の各地からたくさんの来訪者
杉原さんの机

記念館の説明パネルによると、1940年夏の数ヶ月間に杉原千畝は2000以上の日本通過ビザを発給し、それによってその家族を含めた6000人以上の命を救ったということです。日本政府は「受給要件を満たしていない者にはビザを発給するな」と指示をしましたが、杉原千畝は、着のみ着のまま逃げてきた人々に対して、自分の良心に従って行動することを決意したのでした。

杉原さんと同じように、ビザを発給したヤン・ツヴァルテンディク

ヤン・ツヴァルテンディクはオランダ名誉領事であり、少なくとも 2345通のビザを発給したそうです。記念館では杉原千畝以外にも良心に従って行動した人々の説明を見ることができました。

記念館からの眺め
この時期(6月)は緑が綺麗でした

帰りの暴走電車

カウナスの駅にも杉原千畝が

帰りの電車は発車時刻ギリギリになってホームにやって来ました。遅延を取り戻そうとしてなのか、荒い運転で猛烈にヴィリニュスまで帰っていきました。到着予定時刻より少し早い17:30にはヴィリニュスに到着しました。

帰りのセカンドクラスの座席

指定席なのにほとんどの人が適当に座っており、みんな空いている席に勝手に座っていくシステムになっていました。

現在のガザとイスラエルのこと

カウナスの杉原記念館に行ったのは2023年6月のことでした。それから数ヶ月後の2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃し、1年以上経った現在でもまだ戦闘が続いていて、毎日たくさんの人、戦争に関係のない子どもが殺されています。

ガザとイスラエルの衝突について調べると、たくさんの情報が出てきます。これまでの歴史、中東の武装勢力、国際情勢、アメリカの拒否権により機能しない国連のことなど。色々と考えさせられます。連日ガザで多数の子どもが巻き込まれ犠牲になっていること、暴力を止められない自分の無力さ、世の中の仕組みの矛盾点を見つけては落ち込みます。

ガザの死者数は2024年11月時点で4万4千人を超えました(※1)。その半数以上が女性と子どもだといいます。対してイスラエルの死者は1200〜1700人と言われています(各メディアによって変動あり)。戦闘が終わらない限り、両国とも死者数はこれより増えていくと思われます。女性と子どもを含む4万4千人の命が殺されていてもこれは「自衛」に当てはまるのでしょうか。私にはどうしても虐殺にしか見えません。

いま杉原千畝が生きていたら、イスラエルの首相に対して何を思うのか、聞いてみたいです。

参考文献URL